格安SIM利用者数No.1の楽天モバイルは月額2,980円で使い放題、auと統合が決まったUQモバイルは新たに「スマホプランR」がスタートしました。どちらにも共通しているのは、速度制限後も1Mbpsで使える点です。大きな違いは、利用エリアと利用できる端末の差です。
この記事では、楽天モバイルとUQモバイルモバイル2社を徹底比較してみました。
楽天モバイルとUQモバイルの違いは?格安SIM2社徹底比較

楽天モバイルとUQモバイルの一番の違いって何?

UQモバイルはauのサブブランド(2020年10月統合予定)で、auと同じようなサポートや通信速度が期待できるよ。楽天モバイルは自社のオリジナル回線を持っているので他の格安SIMよりも高速通信が期待できるよ。
楽天モバイルは、2020年4月から自社回線を使ったサービスを開始。新プランは月額2,980円の1プランのみで、データ通信と通話が無制限で利用できます。新しいものが好きな人や毎月データ容量を多く利用する人におすすめです。
またUQモバイルも2020年6月より、月額2,980円の「スマホプランR(10GB)」がスタート。auのサブブランドとして格安SIMのなかでも高速通信ができることに加え、低速モード時も1Mbpsに速度改善されています。通信速度の速さと安定を重視する人向けと言えます。
【楽天モバイルとUQモバイルの違いは?】
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総合評価 |
対象エリアなら断然おすすめ通話もネットも使い放題 |
格安SIMの中では最速クラス全国で安定した通信が可能 |
月額基本料金 |
1プランのみ |
S 1,980円/月(3GB) |
R 2,980円/月(10GB) |
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通信速度 |
速い |
速い |
通話かけ放題 |
○ |
○ |
データ繰り越し |
× |
○ |
高速 / 低速モード |
◯ |
○ |
割引オプション |
・Rakuten光とのセット割引 |
・家族割引 |
解約金 / 縛り |
なし |
なし |
店舗数 |
およそ580店舗 |
およそ180店舗 |
支払い方法の種類 |
・クレジットカード/デビットカード |
・クレジットカード/デビットカード |
iPhone対応 |
非対応 |
対応 |
※1 UQモバイルのスマホプランSの超過後速度は300kbps
※価格は税抜
※2020年6月執筆時点の情報です
楽天モバイルを選ぶメリットは?
楽天モバイルの新プラン「Rakuten UN-LIMIT」は月額2,980円ですが、”先着300万人は1年間の基本使用料が無料になる”という破格のキャンペーン中です。(終了時期未定)
新プラン「Rakuten UN-LIMIT」は通話とデータ通信が使い放題になるので、首都圏や大阪など、対象エリアで暮らしている人であれば大幅にスマホ代を節約できます。従来の格安SIMのように回線をレンタルしていないので、混み合う時間帯に速度が遅くなったりすることもありません。テザリングを利用すればルーター代わりとしても使えます。
一番のネックは対象エリアの狭さですが、楽天回線の対象エリア外はパートナー回線(au回線)で5GBまで高速通信を利用でき、超過後も1Mbps(SNSや動画も視聴できる速度)で利用可能です。対象エリアの確認はこちら(公式サイト)
楽天モバイルはこんな人におすすめ
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楽天モバイルの新プラン「Rakuten UN-LIMIT」の詳細はこちら(別記事)
UQモバイルを選ぶメリットは?
UQモバイルはauのサブブランドなので、通信速度と安定性は格安SIMのなかでも群を抜いています。実際に筆者(地方在住)もUQモバイルを利用していますが、昼の混み合う時間帯でも通信速度は安定しており、通信が途切れたこともありません。
新プランの「スマホプランR」は楽天モバイルと同様、低速モード時の通信速度が300kbpsから1Mbpsに改善しています。また、楽天モバイルと違いiPhoneが使えたり、大手携帯キャリアのような学割や家族割もあるので、初めて格安SIMを利用する人でも安心して利用できますよ。
UQモバイルはこんな人におすすめ
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UQモバイルの詳細はこちら(別記事)
《料金比較》楽天モバイルとUQモバイルどちらが安い?

楽天モバイルとUQモバイルでは結局どちらが安く使えるの?

一人で利用する場合には、楽天モバイルがおすすめかな。一方で家族全員のスマホ代を安くしたい場合にはUQモバイルがおすすめだよ。
楽天回線の「エリアが限られている」「iPhoneはサポート対象外」などの注意点はありますが、月額利用料金が1年間無料になるのはメリットが大きいですね。仮に2年間使った場合の料金総額を比較すると、11,760円も差が出ます。
【楽天モバイルとUQモバイルの料金比較】
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楽天モバイル |
UQモバイル |
1年目 |
0円 |
23,760円 |
2年目 |
35,760円 |
23,760円 |
総額 |
35,760円 |
47,520円 |
※価格は税抜
Androidユーザーや機種にこだわりがない人、一人暮らしをしている場合には楽天モバイルへ乗り換えることでスマホ代を圧倒的に節約できます。一方、長く使う場合UQモバイルのほうが月額料金を抑えることができます。
《通信速度比較》楽天モバイルとUQモバイル快適に使えるのは?

楽天モバイルやUQモバイルの通信速度はどれくらいなの?

楽天モバイルは常に30Mbbps前後、UQモバイルは15Mbps前後の速度が出ているから普段使いでは全く問題なく使えるよ。
通信速度だけを比較すると、楽天モバイルがおすすめです。ただし、楽天モバイルは通信基地局数がまだまだ少ないので、利用できるエリアが限られます。自分の住んでいるエリアを確認したうえで選ぶようにしましょう。
通信速度が速いのは?
楽天モバイルもUQモバイルも他社の格安SIMと比較して通信速度は高速です。特に楽天モバイルは常時30Mbps以上の速度が出ているので、auやdocomoと同じように快適に利用できます。しかし楽天回線が利用できるのは首都圏などの一部のエリアのみとなっている点に注意が必要で、今後のエリア拡大に期待したいところです。
UQモバイルはauのサブブランドなので優先的に回線が割り当てられていますが、本家auに比べるとやや低速です。楽天モバイルの対象エリア外であればUQモバイルが有力候補になるでしょう。
混雑時でも通信速度が安定しているのはどちらか?
楽天モバイルもUQモバイルも混雑時間帯(12時~13時や18時~20の時間帯)でも安定して使えます。そのなかでも、やはり自前で通信回線を持つ楽天モバイルは通信速度が安定しており、常時30Mbpsほどの速度で利用できます。
データ容量超過後の通信速度に差はあるか?
▲楽天モバイル「UN-LIMIT」とUQモバイル「スマホプランS」のデータ容量超過後の速度を比較
楽天回線エリアで利用する場合、楽天モバイルにはデータ容量の制限がないため、データ消費量を気にする必要はありません。しかし楽天回線エリア外で利用する場合には5GB/月の制限がありデータ容量を使い切った後にはされます。
UQモバイル「スマホプランS」の場合、データ容量を使い切ると通信速度が最大300kbpsに制限されます。
速度制限がかかった場合でも、比較すると比較的快適に通信ができますが、楽天モバイルのほうが快適に使うことができます。
楽天モバイルの公式サイトで1Mbpsと128kbpsの違いがわかる動画があるので、気になる方はこちらから確認してみてください。
編集補足(2020年6月1日追記) UQモバイルの「スマホプランS」のデータ容量超過後速度が300kbpsですが、新プラン「スマホプランR」はデータ容量超過後も楽天モバイルと同様1Mbppsで利用できます。 |
データ容量は翌月持ち越しできるか?
楽天モバイルはデータ容量の制限がないため、データの持ち越しという概念がありません。楽天回線のエリア外ではau回線で5GB/月まで利用できますが、仮に5GBが余った場合でも翌月への持ち越しはできません。
一方のUQモバイルはデータ容量が余った場合には翌月へ持ち越し可能です。その場合、持ち越しできるのは契約しているデータ容量までです。※3GB / 月の場合、持ち越しできるのは3GBまで。
《サービス比較》格安SIM初心者はUQモバイルが使いやすい

楽天モバイルや格安SIMは大手携帯キャリアと比べるとサポートが手薄いイメージがあるのですが…

両者とも実店舗での契約ができるし、必要に応じてオプションにも加入できるので、大手携帯キャリアと遜色なく利用できるよ。ただ総合的にみるとUQモバイルの方が親切かな。
UQモバイルは格安SIM初心者にやさしい
UQモバイルは学割や家族割引などの割引サービスや子供向けの見守りオプションなど、使う人に応じて必要なオプションを選択できます。またセットでiPhoneを購入できるのでiPhoneを安く使いたい人にもおすすめです。
格安SIMの中でも特に大手携帯キャリアに近い感覚で利用できるので、UQモバイルは格安SIM初心者でも利用しやすいでしょう。
楽天モバイルは店舗数は多いが初心者にはハードル高い
楽天モバイルは店舗数は多いものの、店舗では対応できないサービスもあるのでスマホを初めて使う高齢者や子どもに持たせるにはやや不安が残ります。また、現時点ではiPhoneは動作保証対象外となっており、サポート対象外です。(サポート対象となっているのは過去と現在に楽天モバイルで販売された一部のAndroidスマホのみ)
加えて無料通話を利用するためには、「RakutenLink」という専用のコミュニケーションアプリから発信を行う必要があります。スマホにもともと備わっている通話ボタンを押して発信した場合には別途通話料がかかってしまうので注意が必要です。
初めて大手携帯キャリアから乗り換えをする場合や、スマホを安心して利用したい場合にはUQモバイルを選んだほうが無難と考えられます。
家族で使うなら楽天モバイルとUQモバイルどちらがお得か?

家族4人でスマホを使っています。家族で乗り換えをする場合、楽天モバイルとUQモバイルではどちらがお得ですか?

家族で利用する場合、学割や家族割引があるUQモバイルがおすすめです。ただし、学割で安くなるのは最初の1年間だけなのでその点に注意が必要です。
学生や家族で利用するならUQモバイルがお得
楽天モバイルは、「Rakuten UN-LIMIT」1プランしかないので、毎月のデータ容量や電話の頻度に関係なく2,980円 / 月 かかります。
UQモバイルの場合、データ容量に合わせたプラン選択ができ、家族割引や学割などを割引サービスもあるので、月額料金を安く抑えたい人向けと言えます。仮に18歳以下の子どもが家族と一緒にUQモバイルに乗り換えた場合、プランSを契約すると、子どもは13ヶ月間月額980円~でスマホを持つことができます。
UQモバイルの割引
家族割引:2回戦目以降の回線が毎月500円割引(最大9回線まで) |
4人家族でUQモバイル・楽天モバイルを使うといくらかかる?
具体的に家族4人で楽天モバイル/UQモバイルを利用する場合、どの程度の利用料金がかかるのかをシミュレートしていきます。
【楽天モバイルを家族で利用した場合】
楽天モバイルは定額制なので、ひとりあたり2,980円かかります。しかし、キャンペーンで1年間無料になるのはとても助かりますね。
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月額料金(4人) |
内訳 |
1年目 |
0円 |
夫 0円/月 |
2年目以降 |
11,220円 |
夫 2,980円/月 |
【UQモバイルを家族で利用した場合】
UQモバイルは最初の13ヶ月間、学割が適用されるため、妻と子どもたちの基本使用料が安くなります家族4人(夫と長子はプランR、妻と末子はプランS)で利用する場合の料金シュミレーションです。利用期間によって、適用されるサービスが異なります。
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月額料金(4人) |
内訳 |
最初の13ヶ月間 |
7,420円 |
夫 2,980円/月 |
14ヶ月以降 |
8,420円 |
夫 2,980円/月 |
一ヶ月あたりに利用できるデータ容量や無料通話の有無などの違いがあるため、一概に結論づけることはできませんが、料金面だけを比較するとUQモバイルに優位性があることがわかります。
Wi-Fi環境がない場所で過ごすことが多い場合や、音声通話をよく利用する場合には楽天モバイルにしたほうがメリットが大きくなります。一方、データ容量をあまり使わない人や通話もLINEで済ませる人であれば、UQモバイルにしたほうが安くなりますよ。
まとめ 楽天回線エリア内であれば楽天モバイル、格安SIM初心者ならUQモバイルがおすすめ
楽天モバイル/UQモバイルのそれぞれの特徴を総合的に鑑みると、各サービスは次のような人に向いていると考えられます。楽天モバイルとUQモバイルは速度や料金だけでなく、使える端末も違いがあります。
○UQモバイルが向いている人
- 格安SIMの通信速度が遅くて乗り換えを検討している人
- 初の格安SIMでちゃんと通話やデータ通信ができるのか心配な人
- 動画視聴でカクカクするのが我慢ならない人
- iPhoneユーザー
○楽天モバイルが向いている人
- 楽天回線の対象エリア内の人
- LINE電話よりも標準アプリで通話をすることが多い人
- 通話やデータ容量を気にせず定額料金で使いたい人
- 楽天カードや楽天銀行などを普段から利用している人
- 端末に関心がない、Androidユーザー
楽天モバイルは自社回線でのサービス提供を開始したばかりなので、まだまだ使いにくい点が出てくる可能性があります。しかし、対象エリア内であれば高速通信が使い放題になり、解約料もかからないので一度試してみる価値はあるでしょう。
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